黒崎駅前の商業施設コムシティが今度こそ再開されそうだ。2007年9月にコムシティ破産管財人から黒崎ターミナルビルの保有床を取得した沖創建設(本社、那覇市)がこのほど再生計画を策定し、北九州市がその概要を公表した。
再開されるのは、コムシティ高層棟の地下1階~地上6階と、JR黒崎駅側にある4階建ての低層棟の約3万平米で、沖創建設が取得した床の全部に当たる。物販を中心とした消費型施設に特化するのではなく、商業、サービス、公益、業務施設などを織り交ぜて、黒崎の顔となる地域密着型複合施設に仕立てる。計画通りに事が運べば、コムシティは満床となる。
具体的には、地下がスーパーマーケット、1階~4階が物販(衣料品、雑貨)と飲食、5階が各種サービス窓口と文化教室の床になる。店子とは出店交渉中。6階の業務床には北九州市が富士通コミュニケーションサービスのサポートセンターを誘致した。同社は小倉北口にも大規模なサポセンを設置している。2009年2月に一部改修工事を開始し、同9月の全館開業を目指す。

米国のサブプライム問題に端を発した金融危機により、昨年後半から日本の不動産市況も猛烈に悪化している。新興不動産企業は保有不動産を売却して有利子負債の削減に努め、併せて事業売却や人員削減を容赦なく推し進めているが、それでも倒産する企業が続出して、経営者心理はかつてなく冷え込んでいる。
沖創建設も有利子負債が連結で100億円以上あるとみられ、新規事業に取り組む状況にない。しかしコムシティに関しては保有床を取得したとき、メガバンクを主幹事に沖縄県内の金融機関が参加した協調融資で40億円を調達済み。北九州市が事務所を誘致するなど協力的なこともあり、市の「信用」を背景にさらに10億円を調達して、自社開発する決断を下した。
経済界では2009年下期に景気が最悪期を脱するとの見方が多い。沖創建設はコムシティで会社の存亡をかけたリスクを取って、スタートダッシュを狙う。