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北九州も景気後退 指数は全国最高~日銀短観

日本銀行下関支店および北九州支店は15日、2008年12月の企業短期経済観測調査(短観)を公表した。

北九州支店管内の全産業の業況判断指数(DI)は-3。支店発表の管内短観としては3期連続で全国最高ながら、前回より一気に13点低下してマイナスに沈んだ。全国では2007年下期が景気後退入りした時期だが、北九州地区の景気後退入りは9月のリーマン・ショック以降とみられる。2002年3月の平成不況の大底から8年弱に渡った北九州地区の景気拡大は、ついにその終焉を迎えた。

下関支店管内の全産業の業況判断指数(DI)は-26。前回より10点低下した。下げ幅としては並ながら、今回は山口地区の牽引役である製造業の加工業種が大崩れして、内容は非常に悪い。山口地区の景況感は2002年の平成不況の二番底に接近しつつある。山口地区のマイナスは7期連続。

2007-9年 業況判断指数―全産業(括弧内は予測値)
/ 12月 3月 6月 9月 12月 3月予想
山口 -8 -9 -12 -16 -26(-20) (-34)
北九州 +11 +9 +8 +10 -3(-2) (-25)
大分 -3 -6 -9 -18 -28(-19) (-38)
九州 +1 -5 -8 -14 -20(-17) (-31)
中国 -4 -7 -13 -17 -29(-22) (-43)
全国 +2 -4 -7 -14 -24(-19) (-38)

外部環境

今回の調査期間(11月10日~12月12日)は米国のサブプライム問題に端を発した信用崩壊が金融危機を経て、実体経済に深刻な影響を及ぼし始めた時期にあたる。日経平均株価は9月下旬の1万2000円台から10月下旬の7000円割れまで「百年に一度」と言われる暴落を経験した。その後株価は底這いだが、為替は各国通貨の金利引下げにより猛烈な円高が進行している。

輸出産業は為替想定を相次いで円高方向に見直し、これに伴って業績の下方修正が相次いだ。日本の産業界を震撼させたのはトヨタの下期赤字転落だ。これにより、サブプライム問題は対岸の火事ではなくなった。主要各社は人員整理、製造ラインの休止、設備投資の延期などの事業の縮小にいっせいに動き、消費者は生活防衛の観点から支出を絞り込んでいる。

今回の支店発表の管内短観は景気後退を強く印象づける内容だった。2002年以来の景気拡大は、北九州や大分などの輸出主導の製造業が強い地域と、東京や大阪などの外国からの直接投資が集まった地域が牽引した。これらの地域が大崩れしたのが今回の特徴だ。一方、景気拡大に与れなかった万年不況地域は、すでに景況感が底に達して下落「幅」は拡大しなかった。

北九州地区

北九州支店管内は製造業の業況判断指数が-6、非製造業の業況判断指数が-2と、ともに前回のプラスからマイナスに沈んだ。ただ、非製造業の業況は相変わらずの粘り腰で、指数の値は全国でもっともよい。

北九州地区の産業は構造不況の時代を経て、現在では自動車や半導体を中心に設備が新しい。このため、操業縮小や人員整理の悪影響を免れてきたが、最後の砦もこれから来年の春にかけて崩れる。来年3月の短観では一足先に沈んだ横浜や前橋、名古屋と同様に中位グループまで沈みそうだ。

2008年度の売上・収益計画は、下期利益の下方修正幅が製造業で-27%、非製造業で-20%と大きい。通期では製造業が増収減益、非製造業が減収減益。売上高経常利益率も急落しそうだ。景気の先行指標である設備投資計画も大きく下方修正され、5.4%増にとどまる。

製造業の生産設備判断は「過剰」に転じた。雇用人員判断は製造業で「過剰」ながら、非製造業では不足幅がやや拡大した。製造業では製品在庫水準判断の「過大」が拡大し、製品需給判断が「供給超過」に転じた。仕入価格判断は資源価格の急落を受けて急落したが、販売価格判断の下落が大きく、価格転嫁できていない。

全国的に貸し渋りが激化する中で、金融機関の貸出態度判断は「楽である」を堅持した。ただし、資金繰り判断は「楽である」から「苦しい」に転じた。北九州市は緊急融資枠を追加するなど対策を打ち出しているが、北九州地区の景況悪化はまだ初期段階にあり、対策が必要なのは年度末から来年度にかけてだ。

11月の管内金融経済概況によれば、「北九州地区の経済は、減速が一段と明確化している。輸出は高水準ながら増勢が幾分鈍化している。設備投資も、収益環境の悪化を受けて増勢が鈍化している。また、個人消費は弱めの動きとなっている」。先行きは製造業・非製造業ともにつるべ落としに悪化する見通し。

山口地区

下関支店管内の製造業の業況判断指数は-25、非製造業の業況判断指数は-26。山口地区は製造業(の加工業種)がこれまで北九州地区と同様に堅調に推移してきたが、今回はこの「強い業種」が崩れた。結果は非製造業がやや悪化(-21→-26)したのに対し、製造業は猛烈に悪化(-5→-25)した。

2008年度の売上・収益計画は、下期利益の下方修正幅が製造業で-46%、うち、加工業種が-77.9%と強烈だ。通期では製造業・非製造業ともに増収減益。当期純利益では製造業の加工業種が通期で黒字を確保するものの、下期は赤字に転落しそうだ。一方、景気の先行指標である設備投資計画はほぼ変わらない。全産業の通期で65.1%増。

生産・営業用設備判断は「過剰」が倍増。雇用人員判断は「不足」から「過剰」へ。製商品在庫判断は「過大」が倍増。対する製商品・サービス需給判断は圧倒的な「供給過剰」がなお拡大。仕入価格判断の上昇幅は激減したが、販売価格判断も「上昇」から「下落」に転じた。資金繰り判断は「苦しい」ながら前回と変わらず。金融機関の貸出態度判断は「緩い」から「厳しい」に転じた。

11月の管内金融経済概況によれば、「県内景気は下降局面にある。内需の減退や輸出の減少を映じて、下押し圧力が急速に高まっている。設備投資については、大手製造業を中心に引き続き底堅さを維持している。一方、個人消費は、弱めの動きが続いている」。先行きは製造業・非製造業ともに悪化する見通し。

付録

2008年12月 日銀支店発表の業況判断指数―全産業
業況判断 各地の支店
±0~ なし
-1~-10 北九州 -3、那覇 -8
-11~-20 水戸 -13、松山 -15、横浜 -16、神戸 -17、九州(福岡) -20
-21~-30 近畿(大阪) -21、香川(高松) -23、鹿児島・宮崎(鹿児島) -23、全国 -24、函館 -24、熊本 -24、青森 -25、岡山 -25、盛岡 -25、広島 -26、下関 -26、長崎 -26、北海道(札幌) -28、新潟 -28、名古屋 -28、大分 -28、後志(札幌) -29、静岡 -29、中国(広島) -29
-31~-40 前橋 -32、北陸(金沢) -33、釧路 -34、旭川 -34、東北(仙台) -34、京都 -34、福島 -35、高知 -35、山陰(松江) -39、徳島(高松) -39
-41~-50 甲府 -41、松本 -41、秋田 -46、山形 -47

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