井筒屋(本店、北九州市)は12日、2009年2月末をもって久留米井筒屋を閉店することを決めた。久留米店の従業員はグループ内で再雇用することを前提に協議する。老朽化した店舗建物は減損処理し、2009年2月期の連結中間決算で5億9500万円の特別損失を計上する。
久留米井筒屋は井筒屋の完全子会社。久留米店は1962年の開店で、前身の旭屋から数えて72年にわたり久留米商業の頂点に君臨してきた。しかし近年は郊外商業の攻勢などを受けて業績が低迷した。2008年2月期の単独決算は、売上高が73億円弱で、経常損失が6200万円。井筒屋は「黒字が続く限り営業を続ける」と明言してきたが、赤字転落により店を畳む踏ん切りをつけた。
久留米店が立地する六ツ門は西鉄久留米駅とJR久留米駅の中間地点にある。界隈は久留米のど真ん中だが、近年は鉄道駅から遠いことに加え、駐車場不足が災いして、中心市街の谷間化が進行していた。井筒屋は久留米市から撤退するとみられるが、跡地に再開発ビルが建設される場合は、小型店舗の出店を検討する。会社自体は解散せず、大牟田と筑後の土産店の営業を担う。
井筒屋は関門都市圏への回帰志向を強めている。2007年に博多井筒屋を閉店してからの動きは活発だ。今年4月に小倉伊勢丹を継承してコレット井筒屋を開店、10月には「ちまきや」を継承して山口井筒屋を開店させる。久留米店と山口店は規模・立地ともに酷似するが、井筒屋は福岡の百貨店と競合する久留米よりも、北九州の本店との相乗効果が狙える山口に商機を見ているようだ。