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日銀短観、北九州が全国最高 他を突き放す

日本銀行下関支店および北九州支店は1日、2008年6月の企業短期経済観測調査(短観)を公表した。

北九州支店管内の全産業の業況判断指数(DI)は+8。前回より1点低いが、支店発表の管内短観としては全国で突出してよい。ライバルの前橋、横浜は今回+3だった。北九州は製造業のみならず、非製造業もプラスで着地した全国で唯一の支店だ。北九州の指数は予測より上方修正されるのが最近の傾向で、景況感は先行きに対する不安ほどには悪くない。

下関支店管内の全産業の業況判断指数(DI)は-12。前回より3点低いが、予測よりは3点よい。下関支店管内の景況感は全産業や非製造業で見れば足踏み状態から下放れた格好だが、製造業はいまだ踏みとどまっており、景気後退に入ったかは微妙なところだ。製造業は先行きの下振れを予測しており、外部環境に特段の変化がなければ、9月短観で明確な景気後退入りとなりそうだ。

2007-8年 業況判断指数―全産業(括弧内は予測値)
/ 6月 9月 12月 3月 6月 9月予測
山口 -5 -7 -8 -9 -12(-16) (-18)
北九州 +15 +12 +11 +9 +8(+2) (+3)
大分 +4 ±0 -3 -6 -9(-9) (-12)
九州 +5 +2 +1 -5 -8(-8) (-10)
中国 -1 -2 -4 -7 -13(-13) (-20)
全国 +7 +4 +2 -4 -7(-7) (-12)

外部環境

昨年のアメリカのサブプライムローン(低所得者向けの住宅ローン)の焦げ付きに端を発した一連の問題は、住宅価格の暴落、株価の暴落、信用収縮、そして金融危機と深化して行ったが、米連邦準備理事会はこの問題が経済全体に波及することを恐れ、矢継ぎ早に利下げのカンフル剤を打ちすぎた。金利低下は米ドル安を呼び、ドル連動の物価上昇が顕著になってきた。

6月短観の回答期間(5月28日~6月30日)は、ドル安、株安、商品高が一本調子に進行した期間だった。特に原油先物は連日高値を更新する狂乱相場の様相を呈し、現在は1バレル=140ドルを超えている。ちなみに2007年1月の安値は1バレル=50ドルだった。原油の高騰は物流コストに跳ね返り、あらゆるモノの価格を押し上げて、景気にこの上もなく悪い影響を及ぼしている。

北九州地区

北九州管内の製造業の業況判断指数は+10。前回より4点低いが、予測よりは6点高く着地した。非製造業の業況判断指数は+7。非製造業がプラスなのは全国で北九州だけだが、前回より2点上げてなおも強くなっている。北九州支店は内訳を公表していないが、新北効果の運輸や、需給逼迫のセメントがよさそうだ。

2008年度の売上・収益計画は前回の増収増益から大きく下方修正された。上期利益の下方修正が大きいが、下期に関しては上方修正。全国短観では売上高経常利益率の低下が話題になったが、北九州では上昇波動の基調に変化がない。上期は微妙に下方修正されたが、下期は直近の最高値更新を窺う。景気の先行指標である設備投資計画は製造業・非製造業ともに上方修正。

製造業の生産設備判断は過不足ない状態だ。雇用人員判断は製造業では過不足ないが、非製造業では「不足」幅が大きい。製造業では製品在庫が前回より捌けて、需給判断では需要超過と見る。仕入価格は資源高を受けて急騰しているが、販売価格への転嫁は十分でないようだ。9月は資源高が一段落すると予測するが、過去上昇分を販売価格に転嫁する方向だ。

管内金融経済概況によれば、「北九州地区の経済は、全体としては引き続き緩やかに拡大しているが、一部で減速している。エネルギー・原材料価格高の影響もあって企業マインドが幾分後退している」。先行きは製造業・非製造業ともに悪化の見通し。

山口地区

下関管内の製造業の業況判断指数は-3。前回より1点低い。非製造業の業況判断指数は-17。前回より3点低いが、予測よりは7点高く着地した。6月短観では各地で景況感が急激に悪化したが、下関管内は落ち着いている。業種別に前回と今回を比較すると、下関市の主要産業である食料品が物価高を価格転嫁して-43→-15と大きく改善したのが目につく。

2008年度の売上・収益計画は、前回の増収増益から下方修正。全体動向は次第に北九州に似てきた。設備投資は2007年度の大幅減少を受けて、2008年度は製造業・非製造業ともに大幅な増加。非製造業はさらに上方修正された。純利益では2007年度の赤字から脱して、2008年度は黒字化を見込む。

管内金融経済概況によれば、「県内景気は一部に弱い動きがみられ、このところ回復のテンポが緩やかになっている」。判断項目には設備投資などの好材料もあるが、先行きは製造業・非製造業ともにさらに悪化の見通し。

付録

2008年6月 日銀支店発表の業況判断指数―全産業
業況判断 各地の支店
+9~±0 北九州 +8、前橋 +3、横浜 +3、水戸 +1、神戸 ±0
-1~-10 近畿(大阪) -3、熊本 -3、名古屋 -4、香川(高松) -5、岡山 -7、松山 -7、九州(福岡) -8、静岡 -9、大分 -9、広島 -10
-11~-20 下関 -12、中国(広島) -13、那覇 -13、函館 -14、長崎 -15、鹿児島・宮崎(鹿児島) -16、新潟 -16、青森 -16、北陸 -18、京都 -20
-20~-30 北海道(札幌) -21、後志(札幌) -22、松本 -22、東北(仙台) -24、徳島(高松) -27、山陰(松江) -27、山形 -27、甲府 -28、釧路 -28、高知 -29、秋田 -29
-31~-40 福島 -31、盛岡 -36、旭川 -38

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