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北九州―釜山フェリー便、2008年6月21日就航

北九州市は20日、北九州の門司・西海岸埠頭と釜山を結ぶ定期貨客フェリーの概要を明らかにした。

航路名はモジ・ライン。就航日は2008年6月21日。運航者は韓国シーアンド・グループ(本社、ソウル市)傘下のシーアンド・クルーズが担う。日本代理店の関門汽船(本社、北九州市)は、国際高速船ドルフィンウルサン号の共同事業者として2002年から2004年にかけて北九州―蔚山・釜山便を運航した実績がある。

今回投入する船舶は「KCブリッジ」。船名は「韓中の架け橋」の意で、黄海航路の船を使いまわすようだ。総トン数1万6340トン。長さ165メートル。幅21.5メートル。速力23ノット。積載量は乗客600名、コンテナ110TEU。船内設備として、免税店、売店、食堂、催事場、カラオケ、サウナなどがある。

シーアンド・クルーズの「KCフェリー」 ※北九州市の報道資料から引用

運航は土曜を除く週6往復。釜山を23時に出港し、翌8時半に北九州に入港する。折り返しは北九州を12時に出港し、釜山には同日19時に戻る。この運航計画は韓国から人を運び、日本から荷物を運ぶのに適す。なお、競合する下関―釜山航路は2隻を用いて毎日1往復の夜行便を運航している。釜山発の便は下関行きと北九州行きがほぼ同時刻に到着する間の悪さだ。

旅客運賃は片道8000円(二等室)~1万8000円(ロイヤル特別室)。対する下関―釜山航路の「はまゆう」「星希」は片道9000円(二等室)~1万8000円(特等室)。モジ・ラインは老朽船一隻を毎日往復させる強行軍であり、二等室はいくらか安いが航路の安定運航に不安がある。

北九州の日韓航路

北九州の日韓航路は今回のモジ・ラインが三度目の設定だ。2002年の日韓ワールドカップ開催を契機に、北九州(砂津埠頭)―蔚山航路に高速船ドルフィンウルサン号が投入され、追って釜山航路に高速船オーシャンフラワー号が投入された。しかし両船は船体の不良や運航の不慣れから遅延と欠航を繰り返し、定時運航を実現できないまま消え去った。

韓国海洋水産省は2007年3月、「航路を定着させるために(高速船ではなく)旅客と貨物を一緒に運送する貨客船形態が望ましい」との答申を受けて、二度の失敗に懲りず三度目の準備を始めた。北九州側の発着場所は小倉北口の浅野埠頭が想定されたが、門司港レトロの集客装置にしたい北九州市が待ったをかけ、門司・西海岸埠頭に発着場所を変更させた。

韓国企業が北九州航路にこだわるのは、航路開設が当局による許認可制だからだ。人気航路は欠員が出ない。事業者は当局が公募する不人気航路に応募するほかに就航の選択肢がない。

[論説] 北九州に国際フェリーは不要

関門港の旅客航路は下関港が外航、新門司港が内航と棲み分けてきた。今回の航路開設は韓国側の働きかけによるものとはいえ、発着場所をわざわざ浅野埠頭から門司・西海岸埠頭へ移し、あまつさえ釜山行きフェリーを開設するのは下関に対する挑発行為に他ならない。関門港の機能分担を蔑ろにし、関門特別市の機運を殺ぐ軽率な施策だ。

関門が200万都市圏に相応の拠点性を発揮するためには規模効果を高める必要がある。下関に外航貨客船が入れ替わり立ち代わり出入りして繁忙を極めることが関門港の国際的地位を高める。1日1往復のローカル航路用ターミナルを新設する行為はこの真逆を行く。浅野埠頭発着の高速船ならば関門港の新しい魅力になりえたが、既存航路の分散は関門の拠点性を弱める。

客船としてのモジ・ラインは旅客需要にも不安がある。下関にはリトル・プサンなる朝鮮人街があり、関釜フェリーはポッタリチャンサ(日韓の日用品貿易を手がける商人)が旅客需要を下支えしている。門司港には朝鮮人社会が存在しない。足元に旅客需要はなく、本州方面からの旅客も見込めず、九州方面からの旅客は小倉駅起点なら関釜フェリーのほうが便利がよい。韓国人客にとっては目的地のゴルフ場や温泉が遠い。

しかし、モジ・ラインが失敗に終わるかといえば、そうはならないと考える。門司港は港湾事業者の本拠地であり、庭先にやってくる大型フェリーは速達用の貨物船として使い勝手がよい。新門司港に入港する内航フェリーからモジ・ラインに車載コンテナを載せかえるリレー輸送が実現すれば、客室に空気を満載することになっても、フェリーは採算ラインに届きそうだ。

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