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景気後退が鮮明 北九州は拡大続く~日銀短観

日本銀行下関支店および北九州支店は1日、2008年3月の企業短期経済観測調査(短観)を公表した。

北九州支店管内の全産業の業況判断指数(DI)は+9。前回より2点低いが、支店発表の管内短観としては西日本でもっともよい。北九州管内のプラスは17期連続。全国的に景気後退が鮮明になる中で、昨年から前橋(+11)、横浜(+11)、北九州(+9)の三強が突出する傾向が続いている。この三支店のみが次回の6月短観でもプラスの予測だ。

下関支店管内の全産業の業況判断指数(DI)は-9。前回より1点低いが、懸念された下振れを回避して足踏み状態を維持した。下関管内の全産業業況判断は2004年6月より-9~+1の範囲で小動きを続ける。ただ、次回の6月短観では下放れしそうで、山口県の景況感は景気後退の瀬戸際にある。

2007-8年 業況判断指数―全産業(括弧内は予測値)
/ 3月 6月 9月 12月 3月 6月予測
山口 ±0 -5 -7 -8 -9(-6) (-16)
北九州 +13 +15 +12 +11 +9(+7) (+2)
大分 +5 +4 ±0 -3 -6(-6) (-9)
九州 +5 +5 +2 +1 -5(-3) (-8)
中国 +3 -1 -2 -4 -7(-5) (-13)
全国 +8 +7 +4 +2 -4(-2) (-7)

外部環境

米国のサブプライムローン問題は、当初は貸し付けた低所得者向けの住宅ローンが焦げ付いたという小さな話だった。ところが膿出しと称してなりふりかまわず証券化商品を投げ捨てた結果、評価損が雪だるま式に膨らんで世界的な信用収縮懸念に発展し、単に金融の問題に留まらず、今年に入ってからは米国の景気失速に関心が移っている。

日本では政治の混乱から事の次第は成り行き任せであり、今回の調査期間(2月26日~3月31日)中に為替市場でドル円が一時95円まで暴騰して、企業の許容限度を超えた。狂おしく値下がりし続ける株式市場では、わずか1年で国家予算の2倍となる約160兆円の富が失われた。さらにはガソリンや一次産品などの商品高が加わって、経営者心理も消費者心理もかつてなく冷え込んでいる。

北九州地区

北九州管内の製造業の業況判断指数は+14、非製造業の業況判断指数は+5。非製造業の指数がプラスで着地したのは全国で北九州だけだ。しかも、この時分に前回調査より2点高くなった。北九州管内では過去、非製造業指数が製造業指数に対して上から下へ突き抜けると景気後退に入ることが観測されているが、このデッドクロスは今回も起こらず、図表上でも景気拡大が確認された。

2008年度の売上・収益計画は製造業・非製造業ともに増収増益。売上高経常利益率はすでに高い水準にあるが、製造業・非製造業ともにさらなる上昇を見込む。今回の短観は景気の先行指標と目される設備投資計画に注目が集まったが、北九州管内は全国的な減少とは相容れず、製造業・非製造業ともに増加を見込む。全産業では5.7%増と経営者心理は冷えていない。

製造業の生産設備判断は「不足」が拡大してバブル景気の水準に近づく。雇用人員判断は製造業では過不足ないが、非製造業では「不足」が拡大して、やはりバブル景気の水準に接近しつつある。製造業の製品在庫は捌けており、製品需給は過不足なく、仕入価格上昇分の販売価格への転嫁も支障ない。懸念材料は先行きの商品価格の高騰だ。為替予約が切れるのか、6月予測は大幅上昇を見込む。

先行きは、製造業・非製造業ともに悪化の見通し。

山口地区

下関管内の製造業の業況判断指数は-2、非製造業の業況判断指数は-14。指数は製造業・非製造業ともに前回と同じであり、全国各地の景況感が大幅に悪化する中で特段の悪影響を受けていない。業種別に前回と今回を比較すると、飲食店・宿泊が-16→-80と猛烈に悪化したのが目立つ。鉱業は+33→-33と記号が入れ替わった。原弘産指標の不動産は+40→+60と堅調。

2008年度の売上・収益計画は、製造業の素材業種が大幅な減収減益なのに対し、加工業種は大幅な増収増益と正反対だ。北九州管内では重厚長大産業が復権して久しいが、下関管内は窯業・土石などの素材業種が冴えない。全産業では増収増益になる。設備投資計画は製造業・非製造業ともに大幅な増加。2007年度に大幅減少した反動とみられるが、反動するのは強い証拠だ。

判断項目には好材料も少なくないが、先行きは製造業・非製造業ともに大幅悪化の見通し。

付録

2008年3月 日銀支店発表の業況判断指数―全産業
業況判断 各地の支店
+11~+9 前橋 +11、横浜 +11、北九州 +9
(6月もプラス予測)
+3~+1 水戸 +3、名古屋 +3、神戸 +3、広島 +2、静岡 +1
(6月はマイナス予測)
-1~-42 近畿(大阪) -1、熊本 -2、岡山 -3、那覇 -4、九州(福岡) -5、大分 -6、中国(広島) -7、香川・徳島(高松) -7、松山 -8、下関 -9、北陸(金沢) -10、長崎 -12、松本 -14、青森 -15、福島 -15、鹿児島・宮崎(鹿児島) -15、函館 -17、新潟 -17、京都 -17、盛岡 -18、東北(仙台) -18、北海道(札幌) -21、山形 -23、山陰(松江) -24、釧路 -25、甲府 -26、秋田 -30、旭川 -42

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