北九州市は13日、国の年金・健康保険福祉施設の整理合理化計画に伴い、一般競争入札による売却が予定されていた九州厚生年金会館を買い取る方針を固めた。2008年度中に年金会館が立地する敷地を隣接する勝山公園に組み入れる都市計画決定を行い、北九州市が公園事業として会館を取得・運営する認可を得て、2009年度に整理機構と売買契約を交わす。
九州厚生年金会館は客席総数2200席の大ホールを核として、大中小の会議室と宴会場、レストラン、ホテルなどで構成する。大ホールは1984年の開館以来、北九州市の舞台芸術の晴れの場として親しまれ、市民らの募金2億円で設置したパイプオルガンもあることから、これを愛惜する声が多かった。建物は第27回建築業協会賞を受賞し、1980年代の建築物としても名高い。
年金会館の廃止・売却をめぐっては、北九州商工会議所の重渕雅敏会長らが発起人となって「九州厚生年金会館の機能存続を求める市民運動実行委員会」なる市民団体を結成、30万人を超える署名を集めて存続を訴えてきた。しかし厚生労働大臣や整理機構に対する陳情は通らず、一般競争入札の原則を覆せなかった。
北九州市は30万人を超える署名に加えて、二度にわたる市議会超党派議員による存続決議がなされたことを重く受け止め、新たに2000人規模のホールを建設するよりは既存の施設を有効活用した方が効率的と判断、一般競争入札を回避するために年金会館の購入を決めた。取得後の管理運営には民間活力を最大限導入し、地元企業や市民にも積極的な協力を求める。