自動車関連部品のサカエ理研工業(本社、愛知県清須市)が北九州空港移転跡地産業団地への進出第一号として新工場の立地を決めた。北九州市が23日に市政・記者クラブで発表し、25日に一般公表した。
北九州工場は空港跡地の東寄りの敷地約6万平米に建設する。建物は建築面積2万平米で、延床面積2万7000平米。主としてラジエーターグリルなどの外装樹脂部品と、ドラミラーなどの機能部品を生産する。総投資額は約45億円。新規雇用は約150人。2009年5月の操業開始を目指す。

サカエ理研工業は開発・設計から製造までを手がける独立系の自動車部品メーカーだ。国内の完成車メーカー各社と取引がある。2007年9月期の売上高は332億円。本社は名古屋郊外にあり、国内に六つの工場を有す。米国と中国でも事業展開する。
北九州工場は同社の七番目の国内工場で、北九州市の誘致活動が実を結んだ。空港跡地は北九州市周辺に立地する同社の主要取引先であるマツダ、日産、トヨタ、ダイハツの自動車組立工場への交通利便性が高いことが評価された。
空港跡地は当初「干潟と暮らす環のまちづくり」を基本理念に掲げ、曽根干潟の保全を図りつつ、平坦地を生かした多世代居住の新市街地を形成する構想だった。しかし内容は地元意見を漫然とまとめた総花式にすぎず、広大な商業複合地区が設定されるなど問題が多かった。
この構想に則って九州労災病院が移転を決めたが、その後に転機があった。トヨタ、ダイハツ、日産が予想を上回るペースで生産設備を拡張し、北九州臨空産業団地が完売するなど工業用地が足りなくなった。北九州市は「空港跡地は自動車関連企業からの引き合いが多い」として、2007年8月に工場団地の造成に方針転換した。