日本銀行下関支店および北九州支店は14日、2007年12月の企業短期経済観測調査(短観)を公表した。
北九州支店管内の全産業の業況判断指数(DI)は+11。前回より1点低いが、支店発表の管内短観としては西日本(首都圏より西の地方)でもっともよい。全国では前橋(+16)、横浜(+14)に次いで3番目。北九州管内のプラスは16期連続。
下関支店管内の全産業の業況判断指数(DI)は-8。下関支店の指数が-8まで落ちるのは2006年6月以来で、ここで踏み止まれなければ、下振れて本格的な調整局面に入りそうだ。山口地区の景況感は厳しい局面に差し掛かった。
| / | 12月 | 3月 | 6月 | 9月 | 12月 | 3月予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 山口 | +-0 | +-0 | -5 | -7 | -8 | -6 |
| 北九州 | +13 | +13 | +15 | +12 | +11 | +7 |
| 大分 | +10 | +5 | +4 | +-0 | -3 | -6 |
| 九州 | +5 | +5 | +5 | +2 | +1 | -3 |
| 中国 | +4 | +3 | -1 | -2 | -4 | -5 |
| 全国 | +8 | +8 | +7 | +4 | +2 | -2 |
今回の調査期間中は、米国の低所得者向け住宅ローンの焦げ付き(サブプライム)問題が深刻化し、米国経済の減速懸念から米国の株価が下落、世界的にドル離れが進み、投機資金が商品に流入して原油などの原材料価格を高騰させた。
日本では日経平均株価が1万4837.66円まで崩落、為替は1ドル108.11円まで急騰した。輸出企業は米国の景況悪化、原材料価格の高騰、円高の三重苦により、先行きの収益圧迫懸念が拭いがたく強まっている。一方、内需では建築基準法の改正により住宅着工が激減し、建設などの関連業種が冷え込んでいる。
北九州管内の製造業の業況判断指数は+21。前回調査よりも+4点、予想よりも+11点高く、現時点で外部環境はさほど問題になっていない。非製造業の業況判断指数は+3。前回調査より6点、予想より1点低いが、プラスで着地したこと自体が強い。
2007年度の売上・収益計画は全産業で増収減益。製造業の下期計画が下方修正されて4.0%減となり、これが製造業の上期増益と非製造業の通期増益を相殺して、全産業で0.8%の減益になりそうだ。ただ、売上高経常利益率は高い水準に留まる。製造業の仕入価格判断は商品高により先行きの上昇を見込むが、今回は上昇しなかった。
2007年度の設備投資は全産業で4.2%増となり、前回調査より上方修正。内訳は、製造業が前年比24.2%増、非製造業が37.3%減。非製造業の減少は前年51.6%増の反動による。ともに前回調査より上方修正。製造業の生産設備判断がふたたび「過剰」から「不足」に転じるなど、設備投資意欲は衰えていない。
雇用人員判断は「不足」。不足幅は製造業でやや縮小傾向にあるが、非製造業では拡大傾向にある。北九州地区の有効求人倍率は10月に1倍を超えた。北九州市の人口も10月、11月と2ヶ月連続で増加した。自然減を社会増で補っての人口増であり、増加数は少ないが注目に値する。
先行きは、製造業が悪化、非製造業が改善する見通し。
製造業の業況判断指数は-2。前回と同じで、予想より4点低かった。業種別の傾向は前回と変わらない。山口県に大企業の主要生産拠点のある輸送用機械、石油・石炭、金属製品がよい。地場産業が中心の食料品は大いに足を引っ張る。
非製造業の業況判断指数は-14。前回より4点、予想より8点低かった。業種別の傾向は前回と変わらない。建設、卸売、小売、運輸、サービス、飲食店・宿泊が下げを主導した。
2007年度の売上・収益計画は全産業で増収増益。売上の伸びは鈍化傾向にある。商品高を受けて仕入価格判断が上昇し、製造業の素材業種で減益になりそうだが、全産業の収益を圧迫するほどではない。
2007年度の設備投資は全産業で29.9%減。内訳は製造業が29.3%減、非製造業が31.0%減。製造業は前回調査より下方修正された。この水準は平成不況のどん底だった2002年、1997年、1993年とほぼ同じで、厳しい落ち込みだ。
先行きは、製造業・非製造業ともにやや改善する見通し。