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井筒屋、山口の百貨店「ちまきや」を乗っ取る

山口市の老舗百貨店「ちまきや」が山口井筒屋として生まれ変わることになった。ちまきやは2008年8月31日をもって営業を終了し、百貨店業を廃業する。空店舗は改装して、1ヵ月後の10月1日から「山口井筒屋」として再出発する。井筒屋は山口県央地域への「井筒屋商圏」の拡大を目指す。

井筒屋(本店、北九州市)が14日に発表した基本合意によれば、出店は連結子会社の宇部井筒屋(本店、宇部市)が行う。宇部井筒屋は2008年10月1日をもって商号を「山口井筒屋」と変更し、本店を宇部市から山口市へ移転する。現在の宇部井筒屋は山口井筒屋の支店として営業を継続する。

ちまきや

ちまきや ※ちまきやのホームページより引用

ちまきやは1855年に八木呉服店として創業した。店舗は中市商店街にある本店のみだが、山口市の商業の頂点に君臨する老舗百貨店として名高い。井筒屋との関係は古く、1969年に共同出資により井筒屋ちまきやを設立、宇部に出店した。この店舗は1972年に宇部井筒屋となり、井筒屋の連結子会社になった。

ちまきやは平成不況が一番底をつけた1998年に起死回生を狙って本店の増床を行った。現在の本店は地上5階、売場面積2万平米。しかし売り上げは伸びず、2003年に山口銀行の支援を仰ぎ、2004年には創業家の八木家が経営の一線から退いた。井筒屋とは2007年9月に営業提携で合意したばかりだった。

井筒屋の思惑

井筒屋が紳士的な営業提携のわずか2ヵ月後に店舗乗っ取りに打って出たのは、ちまきやが百貨店経営を投げたからではなく、井筒屋がちまきやを是が非でも欲しかったからではないか。

井筒屋は2007年3月にJR九州から追い払われる形で博多井筒屋を閉鎖した。博多店は毎年欠かさず赤字を計上した収益圧迫の元凶だったが、連結売上高には寄与した。博多店を失った2008年2月期の連結業績予想は、売上高が7.4%減。収益体質は大いに改善するが、規模縮小による収益改善では先行きが暗い。

博多リバレインに新たに出店した「サロン・ド・井筒屋U」は一種の実験店であり、売り上げにはさほど貢献しない。一方、ちまきやは売場面積で小倉本店、黒崎店に次ぐ規模があり、2007年1月期の売上高は73億円。博多井筒屋と比較して遜色がない。井筒屋はちまきやを取り込むことで、従前の企業規模を回復できる。

決め手は山口市がまちづくりに積極的なことだろう。山口市はまちづくり三法の改正を受けて、中心市街地活性化基本計画をまとめ、内閣総理大臣の認定を受けた。今後、山口市郊外が大規模に商業開発される見込みは薄い。郊外の大型店進出に怯える必要がない山口30万商圏は、我が物にしたい市場だと考えたようだ。

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