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北九州経済に予想外の粘り強さ~日銀短観

日本銀行下関支店および北九州支店は1日、2007年9月の企業短期経済観測調査(短観)を公表した。

北九州支店管内の全産業の業況判断指数(DI)は+12。名古屋、前橋と並んで全国首位だった前回調査より3点下げたが、予想より7点も高く、支店発表の管内短観としては西日本(首都圏より西の地方)でもっともよい。北九州管内のプラスは15期連続。

下関支店管内の全産業の業況判断指数(DI)は-7。マイナスは2期連続で、今回は製造業も2004年12月以来11期ぶりにマイナスに沈むなど、目先調整の色合いを濃くした。このまま調整局面に入るのか、踊り場で終わるのかはまだ分からない。

業況判断指数―全産業(2006-7年)
/ 9月 12月 3月 6月 9月 12月予想
山口 -6 +-0 +-0 -5 -7 -3
北九州 +11 +13 +13 +15 +12 +6
大分 +7 +10 +5 +4 +-0 -3
九州 +2 +5 +5 +5 +2 +1
中国 -1 +4 +3 -1 -2 -1
全国 +6 +8 +8 +7 +4 +3

外部環境

今回は米国の低所得者向け住宅ローンの焦げ付き(サブプライム)問題に端を発した世界市況の大混乱を受けての調査だった。米国経済に対する失速懸念は、20年間の好景気に酔いしれたままのアメリカ本国よりも、平成不況の経験が忘れがたい日本でもっとも強く表面化した。

前回調査時と今回調査時との比較では、円はドルに対して安値124.07円から高値113.37円まで10円以上急騰し、輸出企業の為替差益が差損に転ずるとの恐れから、日経平均株価は高値1万8240.30円から安値1万5764.97円まで実に2500円も暴落した。

北九州地区

北九州管内は外需主導で好景気を享受してきただけに、米国経済の失速懸念による円高や商品高は頭の痛い問題だ。足元では為替差益による上方修正期待が高かった三井ハイテックが最終益予想を下方修正し、TOTOは住宅着工戸数の減少を理由に中間期業績予想を下方修正した。耳に入るのはよくない話ばかりだった。

ところが製造業の業況判断指数は前回調査よりも1点上向いて+17。予想より12点も高く、各地の製造業指数が下向く中で驚愕の強さを見せた。2007年度上期の売上・収益は増収増益で、前回調査から上方修正。売上高経常利益率は戻り高値更新。2007年度の設備投資も前回調査から上方修正。生産設備判断が「不足」から「過剰」に転じたところに唯一外部環境の悪さが現れた。

非製造業の業況判断指数は前回より6点下げて+9。しかし全国の-1、九州の-3と比較すると強い。製造業の活況が物流などの非製造業へ波及して、地域経済全体を潤す好循環に大きな変化は見られない。非製造業では雇用人員判断の「不足」が拡大し、バブル景気の売り手市場の水準に接近しつつある。

先行きは、製造業・非製造業ともにやや悪化する見通し。

山口地区

製造業の業況判断指数は-2。前回より6点、予想より8点低かった。山口地区では円高や商品高が経営者の現状認識に冷や水を浴びせた格好だ。業種別では原油高を受けて石油・石炭が前回+33から今回+100へ急上昇。以下、マツダが牽引する輸送用機械、金属製品が前回と変わらずでプラスを堅持。鉄鋼、電気機械はプラスからマイナスに転じた。食料品は大いに足を引っ張る。

非製造業の業況判断指数は-10。前回より1点、予想より6点高かった。業種別では不動産が前回と変わらずでプラスを堅持。しかしこれは首都圏で事業展開する原弘産(本社、下関市)の影響とみられる。前回より上げたのは、建設、小売、飲食店・宿泊、鉱業。下げたのは卸売、運輸、サービス。全般に小動きで、傾向に特段の変化は認められない。

先行きは、製造業・非製造業ともにやや改善する見通し。

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