韓国海洋水産部は23日、北九州(小倉)―釜山航路の運航者としてシーアンドフェリー(本社、ソウル市)による共同体を選定した。今後日本側の関係機関と協議し、4月にも海上旅客運送事業の免許を交付する。

北九州(小倉)―釜山航路は二度の失敗経験がある。2002年7月に大亜高速海運(本社、浦項市)が世界最大級の高速船オーシャンフラワー号を投入したが、船体の不良や受け入れ態勢の不備から、わずか3ヵ月後の同10月に運休した。
2003年4月には武星(本社、釜山市)の高速船ドルフィンウルサン号が蔚山航路を減便して釜山航路に参入したが、こちらも船体の不調や故障が際限なく続いて、旅行客に相手にされなかった。同社は2004年9月に資金繰りに行き詰まり、船を差し押さえられて航路は運休した。
21日に開催された釜山―小倉航路海上旅客運送事業者選定委員会の会合では、過去の失敗に対する反省から「航路を定着させるために(高速船ではなく)旅客と貨物を一緒に運送する貨客船形態が望ましい」との答申があり、早期撤退を繰り返さないための慎重な審査が行われたようだ。
シーアンドフェリーは韓国西海岸の平澤港と中国山東省の日照港を結ぶ「黄海フェリー」の運航業者であり、国際フェリーの運航実績は申し分がない。加えて、財務体質の健全性や投入船舶の適格性、同社の評判などが高く評価された。
韓国海洋水産部は北九州航路には十分な旅客需要がないと判断し、貨客船の運航業者を選定した。しかし北九州航路は投入した船体の不良や運航体制の不備により、定時に出発・到着するという基本動作すら実行されていない。旅客需要が少ないと結論するのは早計ではないか。
なるほど結論からいえば高速船航路は失敗した。しかしオーシャンフラワー号はJR九州の高速船ビートルの約2.5倍、ドルフィンウルサン号は2倍の定員を要した。鈍重で欠陥だらけの大型船だから失敗したのであり、ビートル級の小型船であれば採算が取れるだけの乗客はあった。
関門港には下関と釜山を毎日1往復する関釜フェリーが2隻あり、北九州航路へもフェリーを投入するのは過剰感が強い。関釜フェリーとの差別化が図れず、単純に客を食い合うことにならないか。関門港には片道1泊の大型フェリーと片道3時間の小型高速船という二つの選択肢が必要だ。