野村不動産(本社、東京都)は14日、三菱化学が所有する北九州プリンスホテルの土地・建物の一部を取得し、娯楽施設や専門店からなる大型商業施設の開発を行うことを決めた。プリンスホテルの再生計画は約5年の準備期間を経て、ようやく実現へ向けた第一歩を踏み出す。
新施設は市内唯一のアイススケート場などがある北側敷地5万5335.47平米を更地化して建設する。北九州プリンスホテル(2007年2月26日より「ホテルクラウンパレス北九州」)との連帯を図るとともに、江戸時代の長崎街道の面影が残る「曲里の松並木」の景観に配慮するそうだ。規模は店舗面積で2~3万平米程度、イオン若松とほぼ同規模とみられる。
店子誘致はこれから本格化させる。国道200号向かいのテニス場跡地にイオンを誘致する計画があることから、総合スーパーを核店舗としたショッピングセンターは考えていないようだ。過去の開発事例から、複合映画館と飲食店街で構成するファブ南大沢を大型化したような施設が考えられる。
三菱化学は2002年4月の「黒崎再生10年計画」策定に伴い、イオンのほか、複合映画館や大型書店、飲食店街、都市型温泉などを誘致する構想を披露していたが、野村不動産の計画は概ねこれに沿った内容になりそうだ。

野村不動産は大型商業施設を開発した後は、店子付の物件として不動産証券化し、即座に売却したい意向だ。ただ、北九州市内は昨今の好景気を追い風に大型商業施設の進出が相次ぎ、特に市西部では50万商圏対応のイオン直方とイオン八幡東が開業、きわめて深刻な出店過剰に陥っている。
同社が猛烈な過当競争の中、どのような店子を集め、どのように差別化して新しい商業施設の付加価値を高めるのか、その手法に注目が集まる。