ダイハツ工業(本社、大阪府池田市)は10日、生産子会社のダイハツ九州(本社、中津市)のエンジン工場を久留米市に建設することを正式決定した。新工場は旧田主丸町の約16万平米に約100億円を投じて建設し、軽自動車用のエンジンを年産20万基製造する。2008年8月の操業開始を目指す。
エンジン工場を久留米に立地させるのは人材確保を優先したからだ。ダイハツ工業は2006年10月にダイハツ九州の本社工場内に第二の組立工場を建設することを決めている。追加投資額は約235億円。2007年末には従業員倍増の3000人で年産50万台を目指す。中津周辺ではこれ以上の人材確保は無理だった。
しかし九州山地反対側の久留米が候補地になったのは、当初非常な驚きをもって受け止められた。冬季に凍結する宇佐別府道路や大分道が大動脈では現地生産の安定性を欠く。部品を中津港で陸揚げし、久留米へ運んで中津に戻すのでは物流面でもあまりに非効率だ。
中津を中継地とした北大経済圏には人材不足や東九州道不在などの問題が横たわっていた。それでも西九州にエンジン工場が立地するのは想定外の出来事であり、福岡県に新工場を掠め取られたのは北大経済圏や北九州工業地帯にとって大きな痛手だ。