姉歯秀次建築士による耐震偽造事件で一躍有名になった苅田プレモントホテル(客室数127)が26日に晴れて開業の日を迎えた。
ホテルの着工は2005年6月15日に遡る。意匠設計はKSM一級建築士事務所。構造設計は姉歯建築設計事務所。施工は木村建設。確認済証の交付は日本ERI北九州支店。木村建設の工期半年の「HQ工法」により同12月23日に開業する予定だったが、その1ヵ月前に耐震偽造が発覚し、同11月28日に工事を中断した。
所有者のホテルオオハシグループ(本社、長野県飯田市)は、建物を補強した上でホテルを新北九州空港の開港までに開業させるとした。しかし同社の経営するホテルは計7棟のうち3棟で耐震偽造が確認され、目先の対応に追われた。2006年8月4日に住民説明会を開催して補強工事に着手、柱や壁に手を加えて新耐震基準を満たし、予定より1年遅れでようやく開業に漕ぎ着けた。
この日、東京地裁は姉歯秀次被告に対して建築基準法違反や議院証言法違反(偽証)などの罪で、懲役5年、罰金180万円の実刑を言い渡した。KSM一級建築士事務所に対しては、東京都都市整備局が姉歯建築士を幇助した咎で、2006年7月1日から10ヶ月間の事務所閉鎖処分を言い渡している。なお、木村建設は2005年12月1日に自己破産を申し立てた。
苅田プレモントホテルは新北九州空港の開港を睨んだ一連のビジネスホテル進出の第一号になるはずだった。しかし耐震偽造で躓いているあいだにスカイホテル苅田(客室数140)とスリープイン苅田北九州空港(客室数128)が開業して、日産などの大口客を囲い込んでしまった。
苅田プレモントホテルは補強工事の追加負担に加えて機会損失による損害が大きい。来年はルートイン苅田駅前が開業するなど宿泊客の獲得競争は激化する一方で、ホテルオオハシの正念場はこれからと言えそうだ。