北九州市の市議会経済港湾委員会は15日、響灘地区で造成中の「ひびきコンテナターミナル」の供用が来年度以降にずれ込む見通しを明らかにした。
同港は4月に認定された国際物流特区の中核施設。西日本で唯一の大水深岸壁を持つ国際中核港湾と位置づけられる。下物の造成主体は国と市で、港自体は予定通り今年度中に完成する。事業費は1000億円。
ひびきコンテナターミナルは港湾運営を民間資本に委ねるわが国初の試みだ。PSA(本社、シンガポール)を中心に国内16社が出資して2002年に上物会社を設立する予定だった。
ところが事業はPSAの内部抗争のあおりを受けて詰めの作業が行われないまま経過し、この間に同社の組織が一新されて方針転換があったようだ。同社は昨年12月に出資比率を当初の60%から34%へ一方的に引き下げ、ひびきコンテナターミナルに対して明確な負担回避に転じた。一方で統括代表者としては居座り、自社利益追求の傾向は強めている。
PSAの負担回避は出資比率にとどまらず、運営に対しても「ノウハウは提供するが、コンテナの集荷は北九州市が主体的に進めるべきだ」と語り、統括代表者の自助努力や、目論見書の提案を行わない可能性がある。同社の変調は早い段階から兆しがあったにもかかわらず、これを見限って優先交渉先をICTSI社や三菱商事などに切り替えなかった北九州市当局の責任は重い。
運営主体を構成する国内16社はPSAの出資比率引き下げを一度は受け入れたが、同社に対する懐疑と不信、国内の景況の悪化から減少分を穴埋めする企業はなく、資本額の減少が協議されるなど事業意欲の低下が著しい。
港の供用開始時期も白紙のままで、外資が参加した民間活力導入(PFI)方式として注目を浴びたひびきコンテナターミナルを成功裏に立ち上げるのは難しい情勢となった。