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世界同時株安 関門の企業もバーゲンセール

株式市場が5月の大型連休以来崩れに崩れている。日経平均は4月7日の最高値1万7563.37円から値下がりに転じ、6月14日には1万4045.53円の最安値をつけた。わずか2ヶ月で20%の価値が失われた計算になる。

新興市場の東証マザーズ総合指数は、東京地検特捜部がライブドアに強制捜査を行った1月16日の2800.68を天井として、7月19日には1111.08まで暴落した。21日終値に対する騰落率は-57.75%。平均で60%弱値下がりしたのだから、株価が1/10になった企業もめずらしくない。

株価暴落の理由はいくつもある。ライブドアの粉飾決算で企業や監査法人に対する不信感が広がった。アメリカの景気が失速する中で原油などの商品価格が高騰し、スタグフレーションが懸念されているにもかかわらず、日銀は福井総裁の村上ファンド問題で意固地になり、6月の短観を曲解してゼロ金利を解除した。利上げの日はダウ平均が3日続けて100ドル以上の大幅下落を演じた日で、タイミングとしても最悪だった。

関門都市圏

関門都市圏は素材産業を中心とした製造業の復活により好業績の企業が多い。東京地検特捜部が嫌う「額に汗して働く人が憤慨するような」インターネット関連の虚業系企業はない。地合いが悪いため低収益企業や赤字企業が売り浴びせられるのはやむをえないが、好業績企業も叩き売られて投資妙味が高まっている。

関門都市圏に本社を置く企業の株価(2006年)
企業 最高 最安 現在 騰落 今期
  • 関門地域に本社を置く東証、大証、ジャスダック上場企業。出来高が僅少の常盤薬品を除く。
  • 最高値、最安値はそれぞれ年初来の株価。現在値は7月21日の終値。騰落率は最高値と現在値の比較。
  • 今期予想は会社発表の今期業績予想。
  • 増損=赤字企業の経常損失が増加。黒転=赤字企業の経常損益が黒字転換。
高田工業所 1650
(02-10)
572
(06-02)
705 -57% 減収減益
井筒屋 293
(01-10)
118
(07-18)
125 -57% 増収増益
黒崎播磨 818
(01-17)
356
(07-18)
388 -53% 増収減益
ナフコ 5800
(01-10)
3000
(07-21)
3030 -48% 増収増益
シダー 880
(01-16)
455
(06-05)
473 -46% 増収減益
ゼンリン 4580
(01-11)
1910
(06-08)
2485 -46% 増収増益
原弘産 470k
(01-04)
225k
(07-19)
254k -46% 増収増益
マツモト 880
(02-08)
460
(07-10)
490 -44% 増収黒転
林兼産業 242
(02-03)
120
(06-02)
139 -43% 増収黒転
宇部マテリアルズ 476
(01-16)
285
(07-18)
297 -38% 増収増益
ワールドインテック 372k
(01-13)
207k
(06-02)
232k -38% 増収増益
ワイエスフード 118k
(01-16)
67300
(06-08)
72600 -38% 増収増益
チタン工業 319
(02-01)
195
(06-08)
201 -37% 減収増損
宇部興産 410
(04-21)
277
(07-19)
286 -30% 増収減益
小野建 2160
(02-09)
1365
(06-14)
1507 -30% 増収増益
三井ハイテック 1670
(01-10)
1210
(06-06)
1230 -26% 増収減益
東陶機器 1330
(05-09)
932
(02-10)
1043 -22% 増収増益
長府製作所 2890
(03-29)
2220
(07-19)
2265 -22% 増収増益
パオ 450
(01-11)
331
(06-20)
360 -20% 増収黒転
岡野バルブ 729
(04-10)
428
(01-18)
594 -19% 増収増益
安川電機 1464
(01-30)
1050
(06-08)
1256 -14% 増収増益
山口銀行 1887
(04-03)
1544
(05-24)
1626 -14% 増収増益
安川情報システム 569
(01-16)
439
(06-09)
493 -13% 増収増益
アプレック 875
(05-10)
510
(01-31)
800 -9% 増収黒転

下落率の高い企業

高田工業所と黒崎播磨の株価は半年で半分以下になった。両社とも前期が増収増益だったものの、今期予想で減益を見込んだのが嫌気された。決算短信を発表した時期が世界同時株安の初動と重なったのも不幸だった。連結の株価収益率は前者が5倍、後者は11.3倍で、明らかに売られすぎだ。

原弘産も安い。同社は典型的な高成長企業であり、売上高を毎年倍増させてゆく野心的な中期計画を立てている。しかし新株予約権などを嫌気して、投資家は成長期待に対して対価を支払いたくないようだ。

ナフコも激しい。同社は高成長とは言えないが、こつこつと増収増益を積み重ね、今期予想を含めれば4期連続で増収増益を確保する。安定成長企業にもかかわらず解散価値まで売り込まれており、投資家は冷静な判断力を失っている。

下落率の低い企業

安川情報システムやアプレックは下落率が低い。両社は前期の大幅減益が株価に織り込まれた状態で、昨年の株価上昇局面に乗れなかった。株価は低位で推移しただけで、強含みとは言えそうにない。

一方、安川電機は強い。同社の場合は好業績に加えて、ロボットという分野が好感されている。日本が強みを持つ製造業で、なおかつ成長の可能性が高いとの判断から、買い安心感があるようだ。

株価は景気の先行指標

株価は半年後あるいは1年後の景況を反映する。今期業績は業績予想が出た時点で織り込み済みであり、決算では来期予想により株価が動く。

投資家は悪い材料に過剰反応していると言われるが、不況下の株高、好況下の株安はめずらしい現象ではない。反発が大きいほど反落も大きい。北九州は四半世紀に渡るどん底から這い上がって2002年以来は全国屈指の好景気を享受してきたが、そろそろ下方局面を覚悟したほうがよさそうだ。

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