宇部興産(本社、東京都)は11日、2006年3月期通期の連結決算短信を発表した。売上高が5953億円で前期比5.8%増。営業利益が421億円で同30.3%増。経常利益が332億円で同40.7%増。当期純利益が160億円で同73.5%増。連結子会社数は66社。
当期は現行の連結制度になった1994年以降では各利益項目が過去最高を記録した。特に、化成品・樹脂事業の増益が目立つ。売上高は前期比6.6%増だったが、営業利益は同37.9%増。カプロラクタムなどの良好な需給関係を背景に、製品と原料の値差が改善したのが利いた。
機能品・ファイン事業は、液晶・プラズマディスプレイ向けのポリイミドフィルムの出荷が好調だった。しかしポリイミド製造設備はフル操業状態にあり、収益を大幅に伸ばすにはいたらなかった。
建設資材事業は、民間需要の増加や災害復旧需要によりセメントや生コンの出荷が上向いた。
機械・金属成形事業は、アメリカのアルミホイール製造会社を解散させ、船舶修繕事業を営業譲渡したことで減収となったが、営業損益は損切り効果で黒字転換した。
エネルギー・環境事業は、石炭購入価格の高騰を価格に転嫁して売上高を伸ばしたが、増収を追求する環境ではなく、営業利益は前期並みに留めた。
2007年3月期通期の業績見通しは、売上高6150億円、営業利益410億円、経常利益320億円、当期純利益180億円。当期のけん引役だった化成品・樹脂事業は増収減益の見込み。今期は機能品・ファイン事業で大幅な増益を目指す。
宇部興産はポリイミドの旺盛な需要に応えるため、宇部市のケミカル工場内で製造設備の増設を進めている。2006年8月に第8期設備が完成、下期には増産が可能になる。2007年10月には第9期設備が完成し、第10期設備に関してもすでに検討に入った。当面はこれが稼ぎ頭になりそうだ。