三菱化学(本社、東京都)は10日、黒崎事業所にポリカーボネート樹脂の製造設備を増設することを決めた。生産能力はポリカーボネート樹脂製造設備が年産6万トン。その中間原料となるジフェニルカーボネート製造設備が年産10万トン。設備は2008年3月の完成を目指す。新規雇用は約150人。総投資額は約250億円。
ポリカーボネート樹脂は工業用プラスチックを代表する素材。ガラスのように透明で、岩のように硬い。高温・低温に強いだけでなく、変形しにくく燃えにくい。CDやDVD、カメラのレンズ、携帯電話や事務機器の箱、ガラス代替の建材、自動車の前照灯などに加工される。世界のポリカーボネート樹脂の需要量は年間約260万トンと推定され、今後も年率7~8%の成長が見込めるという。
黒崎事業所に白羽の矢を立てたのは、北九州工業地帯で自動車をはじめとする工業製品の生産拡大が見込まれており、部品素材としての新規需要の取り込みが期待できるほか、北九州はアジア市場からの距離が近く、ひびきコンテナターミナルなどの最新鋭の物流インフラが整備され、アクセス利便性に優れるため。
三菱化学はこれと同時に中国石油化工股份(本社、北京市)と合弁会社を設立し、中国でポリカーボネート樹脂と原料ビスフェノールAの製造に乗り出す。こちらの総投資額は220億円。