日本銀行下関支店および北九州支店は3日、企業短期経済観測調査(短観)を公表した。
北九州支店管内の全産業の業況判断指数(DI)は+16。前回調査より7点上向き、景気拡大の震源地である名古屋支店管内をも上回る圧倒的な強さだ。支店発表の管内短観としては全国でもっともよい。北九州支店管内のプラスは2004年3月より9期連続。
一方、下関支店管内(山口県)の全産業の業況判断指数(DI)は-6。前回調査より7点悪化して明暗を分けた。
| / | 3月 | 6月 | 9月 | 12月 | 3月 | 6月予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 山口 | -1 | +1 | +-0 | +1 | -6 | -5 |
| 北九州 | +1 | +3 | +8 | +9 | +16 | +13 |
| 大分 | +-0 | -1 | +3 | +7 | +6 | +4 |
| 九州 | -3 | -1 | +-0 | +3 | +5 | +2 |
| 中国 | -6 | -2 | -3 | -2 | -2 | +-0 |
| 全国 | -2 | +1 | +2 | +5 | +5 | +6 |
北九州支店管内は前回調査で景気拡大に天井感があり、今回調査では調整局面に入るかが関心事だった。しかし製造業は前回調査の+18から11点上げて+29、非製造業は+3から3点上げて+6と、大方の予想を裏切って指数が青天井に上昇した。2002年3月からの景気拡大はすでに4年に及び、バブル景気の景気拡大と並んだ。
日銀の福井総裁は全国短観の全産業指数が前回調査と同じ+5になったことについて、「内容は非常に堅実」と述べ、「企業がはしゃいでいないことが景気が長持ちする証拠」と語ったそうだ。北九州支店管内では製造業・非製造業ともに景況感が一段と上向き、熱気に包まれている。
北九州地区の目下の懸念材料は、国際間の競争激化や原材料価格の上昇よりも、労働需給面だ。2006年2月の有効求人倍率は0.91倍。倍率は高くないが需給の食い違いが大きい。製造業は業務請負や人材派遣では必要な人員が集まらないため、新卒者の大量採用や中途の正規雇用を増やすなどして人材確保に奔走している。北九州地区は労働力の豊富を売りに投資を呼び込んできただけに、人が集まらなければ投資が他の地区へ逃避しかねない。
先行きは、非製造業の「良い」が拡大するが、製造業の「良い」がやや縮小して、全産業では「良い」超幅が縮小する見通し。
山口地区は製造業が前回調査の+8から8点落として+-0、非製造業は-4から7点落として-11だった。
製造業はマツダの好調を背景に輸送用機械がよい。電気機械、金属製品、鉄鋼もよいが、食料品や窯業・土石が引き続き足を引っ張る。非製造業は飲食店・宿泊、建設、卸売りが不振だ。
山口地区は今回調査だけを見れば調整局面に入ったように見えるが、景気は回復傾向にある。生産は増加傾向にあり、雇用・所得面は改善の動きが続く。個人消費は持ち直している。
先行きは製造業の「良い」が拡大し、非製造業の「悪い」が悪化して、全産業では「悪い」がやや改善する見通し。