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論説

「関門港」として共同申請 スーパー中枢港湾

北九州市港湾空港局と下関市港湾局は14日、スーパー中枢港湾(指定特定重要港湾)の指定に向け、「関門港」として連携することで合意した。両者はスーパー中枢港湾部会、整備・計画部会、管理・運営部会、振興部会の4部会からなる「関門港連携協議会」を設置する。国土交通省へは北九州港と博多港ではなく、関門港と博多港で共同申請する。

北九州港が下関港に声をかけたのは、博多港との力関係で優位に立つためだ。北九州港と博多港の共同申請によるスーパー中枢港湾指定は、北九州港には不利益しかもたらさない。国や県が北九州港の単独方針を認めず、連携を強要するのであれば、博多港をけん制する材料が必要だった。

スーパー中枢港湾の経緯

北九州港がスーパー中枢港湾の候補から外れたのは2004年4月。スーパー中枢港湾選定委員会の評価結果によれば、北九州港がスーパー港の指定を受けるには「今後5年程度の期間内に博多港との適切な機能分担を行うか、単独で年間100万TEU以上のコンテナ取扱量を達成する必要がある」ということだった。

これを受けて北九州市港湾空港局は2008年までに単独で100万TEUを達成し、単独でスーパー港の追加指定を受ける方針を固めた。山縣宣彦局長は博多港との連携は当初から論外視して取り合わなかった。しかし、北九州港との連携が利益になる博多港が連携を諦めなかった。

2005年4月に福岡商工会議所などが「博多港スーパー中枢港湾実現期成会」を設立したあたりから福岡陣営による北九州港包囲網が水面上に浮かび上がった。自民党の山崎拓氏(福岡2区)は以前から水面下で動いていたが、山崎氏の子飼いだった自見庄三郎氏(福岡9区)がこの動きに迎合したのが致命的だった。西日本新聞などのマスコミも連携を盛んに説いた。福岡陣営は不利益になる空港の連携に関しては口をつぐむが、利益になる港湾の連携に関しては舌がよくまわる。

自見氏の落選により連携の機運はいったん後退したが、昨年11月に福岡県が調整役と称してこの問題に介入してきた。12月には国土交通省がこれまで見送ってきた博多港の水深15メートル岸壁を正式に承認し、北九州陣営の懸念材料を悪い方向で消滅させた。これで北九州陣営は総崩れし、ライバルの博多港に屈した。

形式的な共同申請

スーパー中枢港湾の共同申請は北九州市、福岡市、福岡県ともに「形式」と受け止めているようだ。役割分担などの本格的な連携は考えておらず、有事・災害時の相互支援や、地域高規格道路・北九州福岡道路の建設促進など、双方が関与する当たり障りのない内容を列挙しただけだ。

国は北九州・博多港をスーパー中枢港湾に指定する口実を探している。名ばかりの共同申請で指定を受けるかどうかは分からないが、形式上の連携でスーパー中枢港湾の「格」が得られ、さらに北九州港と下関港の一元化が進むのであれば、この取引は差し引きで利益といえるかもしれない。

道州制には好材料

港湾と直接関係するわけではないが、将来の道州制を睨めば、関門海峡を跨いだ枠組みを早急に構築する必要がある。地方制度調査会は全国を8・9・11・13の道州に分けた組み合わせ案を例示したが、関門海峡はすべての案で境界線だった。

関門海峡に道州の境界線を引かせてはならない。道州の断絶は県の断絶、ブロック経済の断絶よりも深い。北九州と下関は規模効果を損なわるだけでなく、今後も僻地の扱いを受ける。道州制に先立って結合を深めなければ、将来はこれまで以上に暗い。関門港の機運が半世紀ぶりに高まったことを歓迎したい。

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