日本銀行北九州支店は31日、2005年度の冬季賞与支給状況と雇用・企業行動に関する方針について調査した結果を公表した。北九州管内は支店長が「四大工業地帯が景気の牽引車」と語るほど景況がよく、当然に賞与支給状況は悪くない。しかし、退職者を補うだけの人員補充はなく、地域経済は厳しい環境だ。
調査企業は121社。有効回答社数71社のうち、製造業は35社、非製造業は36社。 一人当たり支給額は62万0945円で、前年比+0.2%。一人当たり支給率は2.40か月で、前年差+0.15か月。いずれも前年を上回った。
一人当たり支給額を製造業と非製造業で比較すると、製造業は67万3815円で、前年比-0.9%。非製造業は43万7035円で、前年比+4.4%。製造業の下げは前年に17.7%も伸びたことによる。好景気の裾野は製造業から非製造業へ着実に広がりつつある。
管内企業71社の過去3年間の退職者数は現在の雇用者数の7.3%に及ぶ。定年退職者の割合は4.7%、社内の早期退職制度などを活用した割合は2.6%。
補充状況は「定年退職者に対し100%補充した」のが20社ともっとも多いが、「59%以下」の補充に止めた企業も15社に上り、「100%超」を補充した企業は7社に過ぎなかった。
定年退職者は今後ますます増える見込みで、次の3年間に定年退職を迎える雇用者の割合は現在の雇用者数の6.6%に達す。人員補充の方針は、「定年退職者に対し100%補充する」は製造業を中心に23社、「59%以下」は非製造業を中心に14社、「100%超」を補充する企業は8社。
退職者数が人員補充を上回るのは全国的な傾向で、少子高齢化社会ではやむをえない。北九州管内では、世界経済に依存する製造業で雇用維持がある程度期待できるが、地域経済に依存する非製造業はパイの縮小を受けてダウンサイジング(規模萎縮)が止まらない。都市としては、まちなかが衰えて郊外へ発散・希薄化する傾向がこれからも続きそうだ。