山口銀行(本店、下関市)ともみじホールディングス(本社、広島市)は8日、経営統合に関する基本合意書を締結した。両社は2006年10月1日に共同株式移転により持株会社を設立する。持株会社の商号は「山口フィナンシャルグループ」。本社は現山口銀行本店に設置する。
山口銀行ともみじホールディングスは2004年に県境を超えた現金自動預け払い機(ATM)の相互開放を皮切りに互いの友好関係を深めてきた。今年3月に業務資本提携関係に入ることで合意し、8月には山口銀行がもみじホールディングスから235億円の第三者割当増資を引き受けて筆頭株主になり、もみじホールディングスはこの増資で調達した資金で旧広島総合銀行が不良債権処理をめぐって政府から受けた公的資金400億円の償還の一部に当てた。
山口銀行は2006年中に上場を廃止し、山口フィナンシャルグループの傘下に入る。もみじ銀行の持株会社・もみじホールディングスも上場を廃止し、2006年中にもみじ銀行に統合した上で、山口フィナンシャルグループの傘下に入る。
山口フィナンシャルグループは資本金500億円。山口銀行ともみじ銀行の単純合計では、総資産額7兆1376億円、純資産額4197億円、預金残高6兆4507億円、貸出金残高4兆5747億円。自己資本比率と不良債権比率はそれぞれ10.30%、7.67%と悪化するが、財務体質のよくないもみじ銀行と統合してこれなら悪くない。地銀としては全国5位の規模。西日本(中四国九州)では最大の金融グループにのし上がる。
今回の経営統合は山口銀行が銀行間競争の激烈な関門に見切りをつけて広島へ経営資源を移す動きかと当初は懸念された。しかし山口銀行は他行が支店の統廃合を進める中で小倉東支店を新設するなど北九州でシェアナンバーワンを目指す方針に変わりはなく、新しい金融グループの主導権も「もみじ」の名がないことから分かるように、山口銀行が完全に掌握する内容だった。
山口銀行は今後も下関を拠点に山口県と北九州市でシェア拡大を目指す。北九州地区は製造業を中心とした活況により資金需要が増大しているが、従来から積極融資で知られた山口銀行が西日本最大の金融グループを主導することにより、資金調達はより容易になりそうだ。