不動産賃貸大手のアパマンショップネットワーク(本社、東京都)は25日、同社が買収した小倉興産(本社、東京都)の石油事業を売却すると発表した。小倉興産の100%子会社、小倉興産自動車整備(本社、北九州市)へ石油事業の営業を譲渡した上で、この子会社の株式70%を伊藤忠エネクス(本社、東京都)に売却する。
アパマンは2005年3月にアドバンテッジパートナーズ(本社、東京都)が保有する小倉興産の全株式を取得して同社を子会社化した。小が大を呑み込む買収劇は、当初は北九州地区での不動産事業に本格参入するための手段と好意的に受け止められた。
しかしアパマンは小倉興産を手中に収めるや否や小倉興産の本社を東京へ移し、執行役員制度を導入して小倉興産の経営陣を締め出した。不動産事業はアパマン、石油事業は伊藤忠商事グループが権限を握る。小倉興産の代表者は残すとしたが、それもつかの間で、現在はアパマンの大村浩次社長が代表者を兼任する。
石油事業は2004年に508億円を売り上げた小倉興産の収益の大黒柱。アパマンはこの事業の門外漢であり、一方で、石油関連事業と車関連事業の拡大を掲げる伊藤忠エネクスはこの事業がほしかった。小倉興産買収時に同社を解体して事業分割するのでは、買収自体に失敗した可能性が高い。そこで、買収時に提携し、経営権を完全に掌握した後に売却という二段階譲渡の内諾が両者にあったとみられる。
小倉興産はアパマンと伊藤忠の支援を受けて来年秋の東証二部上場を狙うとしたが、1950年以来続けてきた収益の大黒柱を売却されればその見込みはなくなる。アパマンは石油事業売却後の小倉興産を使って今後は中国・上海、韓国・ソウル、首都圏、福岡市で不動産事業を積極展開するという。いずれにせよ北九州で事業展開する意思はなさそうだ。
アパマンは買収時に友好的にふるまい、そののち敵対性をあらわにしたのだから、敵対的買収を仕掛けてくる禿鷹ファンドよりもたちが悪い。小倉興産はいずれ社名変更して別の企業になるか、アパマンが最終的に不動産事業を吸収した上で清算するのではないか。