産業再生機構の支援下で再建中の三井鉱山は、子会社の三井鉱山セメント(本社、田川市)の採掘権と関連施設を麻生セメント(本社、福岡市)に売却することで合意した。
三井鉱山セメントは2004年3月末に従業員約100名を全員解雇し、来年中に会社を清算する。セメント事業からの早期撤退と関係会社の整理統合は産業再生機構の事業再生計画に明記された確定事項だった。
三井鉱山は旧三井田川炭鉱の離職者対策として1961年にセメント事業に参入した。最盛期の1979年度には約219万トンを生産したが、2002年度の生産量は約150万トンだった。麻生は三井鉱山から採掘権を継承するが、採掘量は年間50万トンの予定で、近接する同社の田川工場でセメントに加工する。三井鉱山セメントの関連施設は撤去し、更地に戻して活用法を探る。
セメント需要は公共事業の減少により低迷している。田川地区の工場は、香春太平洋セメント(本社、香春町)が2004年3月末の会社解散を決めるなど、内陸立地のコスト高が嫌われ真っ先に整理の対象になった。しかし鉱山に関しては、関の山鉱山、香春鉱山ともに規模は縮小しても採掘を継続する方針で、資源だけを失い、利益を地元に還元しない仕組みに切り替わりつつある。