全日空は来年2月16日に開港予定の神戸空港に、羽田線などの6路線を1日計10便(往復)程度を就航させると発表した。便数とダイヤは11月中にも正式に決定する。神戸空港には、スカイマークエアラインズと日本航空も就航を決めているが、具体的な路線計画を正式に発表したのは全日空がはじめて。
全日空が就航させる路線は、羽田、札幌(千歳)、沖縄(那覇)、仙台、新潟、鹿児島の6路線。大阪(伊丹)空港、関西国際空港と運賃をそろえる「マルチエアポート」とし、便の変更が手軽に出来るように配慮した。使用する機種は、ボーイング767(288席)、エアバスインダストリーA320型(166席)、プロペラ機のボンバルディアDHC8-400型(74席)など中・小型機が中心となる。
一方、日本航空は24日、神戸空港開港時に1日10往復便程度を設定する方針を明らかにした。羽田や札幌、沖縄のほか、九州や東北などの主要都市を結ぶ路線を検討中で、7月上旬までに正式に決める。
同社は当初、開港時は羽田便を含む6便を運航し、羽田空港発着枠が拡大される09年に10便程度に増やす予定だった。しかし後背地の需要や利便性の高さなどを考慮し、便数の拡大を決めた。
神戸就航をいち早く表明したスカイマークは羽田便を8便を設定するが、羽田空港発着枠の確保が前提になる。同社は羽田空港発着枠をめぐって他の航空会社と対立しており、定期路線を運航する航空会社14社が加盟する業界団体「定期航空協会」を今月15日付で脱退した。神戸就航が実現するとして、何便が設定できるかはいまだ不透明だ。
神戸空港は神戸市が設置管理者となる第三種空港だ。全体事業費は3140億円。市民団体「ミナト神戸を守る会」(東條健司代表)が神戸市長に対して「財政が破たんし、採算も見込めないのに事業を進めるのは市長の裁量権の逸脱」などとして、05年度の関連予算約250億円の支出差し止めを求める訴訟を神戸地裁に起こした。
同会は99年度から各年度ごとに予算執行差し止めを求めて提訴。神戸地裁は昨年3月、03年度までの計7件の訴えを斥けたが、財政計画や需要予測の見通しについては疑問を指摘した。しかし全日空が10便、日本航空が10便、スカイマークが8便を就航させ、計28便体制で開港を迎えれば、神戸市が需要予測に基づいて開港当初の目標とした1日27便は達成できることになる。
関西は航空需要の予測が難しい。当面は神戸、伊丹、関空の3空港が共存共栄を図ってゆくことになるが、関空2期事業の07年供用開始や、伊丹空港の2種格下げが検討されており、政治決着次第で神戸の命運が決まる。