来年3月開港予定の新北九州空港に海路を使って北九州市と結ぶ計画を北九州市門司区の海運会社、関門汽船が検討していることが分かった。新北九州空港への公共の交通手段としては、バスや鉄道などが検討されているが、海路計画が浮上するのは初めて。
関門汽船は1889年創業の渡船業者。現在は関門連絡船と巌流島連絡船のほか、周遊観光チャーター船を運航する。2002年4月に韓国の武星との共同運航で北九州と釜山・蔚山を結ぶ国際定期旅客船を就航させたが、投入した新造船の著しい欠陥から客足が伸びず、2004年9月に武星が倒産したのを契機に国際航路から撤退した経緯がある。以来、同社は次の事業を模索していた。
関門汽船の計画によると、航路は門司港または小倉港から関門海峡を経て新空港へ向かう。投入するのは同社の関門連絡船(門司港―唐戸)と同規模の定員80人程度の小型船舶。所要時間は門司港―新北九州空港間の場合、1時間前後だという。
新空港は開港時のアクセスが道路のみとなっており、小倉駅からは北九州都市高速道路、新北九州空港連絡橋(長さ2.1キロ)などを経由して車で約30分。「バス等アクセス検討委員会」が小倉駅や黒崎地区、学術研究都市などからの空港バスを提言したほか、鉄道の乗り継ぎの利便性を図るため、最寄り駅からの連絡バスも想定する。しかし後者は北九州市が朽網駅を起点とするのに対し、苅田町や福岡県は苅田駅を拠点化したい意向で、今後両者の間で紆余曲折が予想される。苅田町はJR九州に対して特急の停車を求めている。
将来のアクセスに関しては、国や県、北九州市などでつくる「新北九州空港アクセス鉄道整備検討委員会」が2003年にJR貨物東小倉駅からトンネルを掘り、小倉駅と新空港を10分で結ぶ案を打ち出した。しかし建設費が約640億円かかることもあり、着工は決まっていない。