三菱重工業(本社、東京都)は6日、米ボーイング社の次期主力旅客機「787」向け複合材主翼生産のため、下関造船所で新たに設備投資すると発表した。同所大和町工場の一部を主翼の補強用部材専用の生産工場に改造する。ボーイング大型民間機の主翼部品を他社が製作するのはこれが初めて。
改造工場は延床面積は約6300平米。2005年6月に基礎改造工事に着手し、来年4月の竣工を目指す。操業開始は来年8月の予定。設備投資額は約42億円。2010年に約240人の雇用と約40億円の売り上げを見込む。
下関造船所で製作する補強用部材は、炭素繊維と樹脂を組み合わせた炭素繊維強化プラスチック。従来のアルミ合金やチタン合金に比べて強度・剛性に優れるという。部材は名古屋航空宇宙システム製作所へ輸送され、そこで主翼構造体に組み立ててボーイングに出荷する。補強用部材の生産は月産2~7機規模となる見通し。
下関造船所は1988年に複合材事業を始めて以来、ヘリコプター向けのドアをはじめとする航空・宇宙機器用の繊維強化プラスチック製部品を数多く手がけてきた。同社の戸田信雄常務は山口県庁で記者会見に応じ、「名古屋と下関を拠点に旅客機の主翼部品を製作し、世界へ送り出したい」と抱負を述べた。