全日本空輸(ANA)が福岡空港発着の名古屋中部線の一部の便をジェット機からプロペラ機に機材変更することを決めた。経費節減が狙いで、すでに大阪(伊丹)線では2月から一部の便に導入。名古屋中部線でも7月15日から昼間の1往復をプロペラ機に変更する。
名古屋中部線に投入する機材はナダ・ボンバルディア社のプロペラ機「ダッシュ8-Q400」(座席数74)。中部―松山線などの地方路線に投入する機材で、1日13往復のうち福岡発午前11時発の便と、名古屋中部発午後1時30分発の1往復が機材変更の対象。福岡―名古屋中部間の所要時間はジェット機の1時間10分に比べて15分程度長くなる。
全日空は名古屋の空港が中部国際空港(セントレア)へ移転した後も、中部国際経由の海外便の利用を促すため、福岡―名古屋中部線に関しては減便はしなかった。しかし同路線は日本航空も1日7往復を運航し、過当競争から昼間の時間帯は搭乗率が50%を割り込むなど、収益の圧迫要因になっていた。
名古屋中部線は2004年度の年間利用者が約86万人。同社の国内127路線中9位で、上位10路線のうち同路線以外はすべて羽田発着だ。国内有数のドル箱路線でプロペラ機が飛ぶのは珍しいが、昼間の空いた時間帯を小型プロペラ機化することで搭乗率を上げ、燃料費や着陸料などの経費を削減、客室乗務員を間引いて収益力をより高める。
航空各社はこれまで主要幹線はジェット機、地方路線はプロペラ機と使い分けてきた。全日空は今回投入するプロペラ機の利用実態や経費の削減状況をみて、将来の便数拡大や他の幹線への投入を検討する。