北九州市の推計人口がふたたび100万人を割り込んだ。北九州市総務市民局の発表によれば、1月1日現在の推計人口は前年同月比2686人減の99万9835人。なお、住民基本台帳人口と外国人登録人口を合計した登録人口は12月31日現在で100万6635人。
北九州市の人口は1979年12月の106万9117人を最高に減少傾向にあるが、その内容は以前と現在では様変わりした。
自然動態をみると、1970年は出生数が2万1003人だったのに対して死亡数は6416人で、差し引き1万4587人の増加があった。昨年は出生数が8675人だったのに対して死亡数は9044人で、差し引き369人の減少だった。
自然動態の減少基調は全国的なもので、国立社会保障・人口問題研究所は、日本の総人口が今年から減少に転じ、次の100年で半減するとみている。北九州市でも今後死亡数が出生数をますます引き離し、自然動態の減少に歯止めをかけるのは不可能だ。
一方、社会動態をみると、増減は1968年から1978年の11年間で、実に11万6532人の減少をみた。この時期は北九州市が西日本(中四九州)の中枢拠点から転落した時期に当たる。ただ、同じ期間に13万9666人の自然増があり、その他の動態も含めれば社会減をすべて打ち消して2万5621人の増加だった。
北九州市ではこの自然増が人口動態の悪い実態を包み隠してきた。現在はこれが完全に水面下に沈み、社会減を打ち消す手立てがなくなった。社会動態はその後も泡景気絶頂期の1987年に1万1796人減という大きな山があった。泡景気崩壊後は減少幅が縮小の一途をたどり、昨年は2802人の減少に留めた。
北九州市は構造不況に陥って以来、国の景況とは無関係に常にきわめて悪い状態にあり、景況が上向いて他地域で人材確保が困難になると、なだれを打って人口が流出するという相関関係があった。
北九州市の人口が移動時期を終える5月に100万人を回復する見込みは小さい。しかし昨年から始まった景気拡大は北九州地区が全国を先導するなど過去30年の常識からは考えられないことが起きている。
日銀北九州支店の雇用人員判断は製造業・非製造業ともに「不足」超に転じた。北九州商工会議所が6日に発表した2004年度第三四半期の経営動向調査でも「人材不足」と答えた企業が26.2%に達した。労働需給の逼迫は経営上の問題点になりつつある。
北九州市の人口が今後も自然減に押されて自由落下するか、社会増に転じて現在の水準に踏みとどまるかは分からない。現時点でいえるのは、北九州が全国の景況のけん引役である限りは、社会減が拡大する状況ではないということだろう。