宮田町と若宮町は6日、福岡県の麻生渡知事に対して2町の廃置分合(合併)を申請した。両者は昨年11月24日に合併協定調印式を行い、それぞれの町議会の12月定例会で合併関連議案を可決した。今後は県議会の2月定例会での議決、知事の決定を経て、総務省が告示する。発足は2006年2月11日。
両者は合併特例法の期限内(今年3月31日)に廃置分合の申請を行ったため、「市制施行のための要件を人口3万以上とするとともに、連たん要件等の人口以外の要件を不要とする」と定めた市となるべき要件の特例により、新市を発足させる。合併の方式は新設(対等)合併。新市の名称は若宮町の「若」と宮田町の「宮」を取って若宮市――では宮田町の理解が得られなかったようで、文字をひっくり返して「宮若市」とする。
宮若市は面積139.99平方キロ、人口3万1225人(2000)。新市の事務所の位置は宮田町役場とし、現在の若宮町役場は総合支所とする。議員32人に関しては在任特例を適用せず、合併の日から50日以内に選挙を実施する。ただし合併後最初に行う選挙に限り、議員定数を24人とする。新市の議員定数は20人。
直鞍地域は2001年4月に直方市、小竹町、鞍手町、宮田町、若宮町の1市4町で研究会を設置し、2003年4月に法定協議会へ移行した。しかし直鞍の中心都市となる直方市の求心力は弱く、地域をまとめられなかった。
2004年2月に若宮町が合併協議から離脱し、同3月には宮田町も離脱して、法定協議会は解散した。こののち直鞍地域は直方、小竹、鞍手の1市2町と、宮田、若宮の2町に分裂して合併を目指したが、前者は新市の名称「ゆたか市」にまとめ役の直方市が難癖をつけて協議会を解散に追いやった。直方市は自らの地位低下という現実を最後まで直視することができなかった。
宮田町は町内にトヨタ自動車九州の完成車工場を擁し、財政力指数は約0.7(2003)。筑豊の自治体としては群を抜いた財政力を誇る。宮田工場は生産能力を年産25万台から43万台へ引き上げる方針を固めており、今後関連企業の進出も多数見込める状況にある。同町は合併しなくとも、数年内に福岡市を抜き去って苅田町に次ぐ県下第2位の裕福自治体になるのは確実だった。
トヨタの関連企業は宮田町の工業団地が完売したことから若宮町へ新天地を求めつつある。両者の合併は市制施行による知名度の向上という効果もあるが、なにより経済界の要請だった。宮若市は北九州工業地帯の東の核・苅田に対して、西の核としての拠点化が期待される。