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小倉記念病院の小倉北口移転へ布石

北九州市は財団法人平成紫川会(本部、北九州市)が運営する小倉記念病院の小倉北口移転に伴い、移転予定地の浅野3丁目の用途地域を変更することになった。新しい記念病院は和気耐火工業跡地の約2万7000平米に建設する。

浅野3丁目西地区は現在、臨港地区および準工業地域に指定される。容積率は200%、建蔽率は60%。準工業地域への病院建設は法的には可能だが、容積率の制限が厳しく、臨港地区であることを度外視しても大規模な新病院を建設するのは難しかった。

貴船町にある小倉記念病院の規模は病床数658床、延床面積2万8312平米。新しく建設する病院は全国でも有数の最先端医療施設になると見込まれることや、2004年2月に竣工した九州厚生年金病院(病床数575床、延床面積5万2000平米)の規模から類推して、病床数700床以上、延床面積6万平米以上になるとみられる。

用途地域の変更は、国道199号浅野バイパスを挟んで反対側の浅野2丁目と同じ商業地域に編入し、臨港地区の指定を解除すると考えられる。浅野2丁目の容積率は600%、建蔽率は80%。容積率が新病院建設の足枷になることはない。

しかしこのような変更は土地価格を大きく引き上げる要因であり、土地の所得後に用途地域を変更することは、一財団法人への利益誘導と受け取れないでもない。

和気耐火工業跡地のある浅野3丁目西地区は北九州市が1991年に策定した小倉駅北口地区整備構想の「アミューズメントゾーン」に位置づけられ、娯楽・遊戯施設の導入が検討された。しかし策定から13年を経ても地権者の同意は得られなかった。市はこの方針を撤回し、医療・福祉分野を中心とした「アメニティーゾーン」へ変更することで開発に対する地権者の理解を得たい意向だ。

病院は集客核

病院は休業できないため新築しなおす場合は場所を移すことになるが、街なかから郊外へ移転することはあっても、その反対はあまり例がなかった。最近では北九州最大規模を誇る黒崎の九州厚生年金病院が街の周縁部へ追い出された。

まちづくりの観点からいえば、大型病院を追放するのは大学を郊外へ出すのと同様に最悪の選択肢だった。跡地再開発にばら色の未来を夢見ても、病院以上に恒常的・安定的に人を集める装置は他にない。

小倉北口は集客核がなく無人の都心空間を形成するが、小倉記念病院の移転により1日に数千人を集める小倉北口最大の核が誕生することになる。記念病院は北九州にありながら西日本各地から患者を集める知名度の高い病院であり、小倉北口の交流拠点づくりにも役立ちそうだ。

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