北九州高速鉄道経営検討委員会は5日、三セクが北九州市からの借り入れた275億円の株式化を求める提言をまとめた。市は今年度中に結論を出す方針で、末吉興一市長は「提言に従う」と述べた。
債務株式化は債務超過の解消と有利子負債の圧縮を行うための手法。2003年4月に高田工業所が改正産業活力再生特別措置法の適用を受けて50億円の債務を株式化したのが記憶に新しい。債務を株に変えることにより、債務履行と利払いを免れる一方で、利益が生じれば相応の配当が求められる。
北九州高速鉄道は公共交通機関としては全国でも優等生の部類に入り、1998年のJR小倉駅延伸を契機に営業黒字に転じた。しかし初期投資約324億円が重荷となり、小額の黒字から年間7億円程度を返済する状態では債務完済のめどがつかなかった。
2004年3月末の累積赤字は254億円、債務超過は149億円。公共交通機関を営利会社に委ねるのは東京のような大都市圏でも厳しいが、今回の提言は北九州市の手法に対して「失敗」の烙印を押した。
北九州高速鉄道の場合、雪だるま式に赤字を累積させる状態ではなく、現在の債務を株式化すれば収支は均衡すると見込まれる。委員会によれば、今後車両や運行システムの更新に100億円程度を投じても、新たな補助金の必要性はないという。