関門汽船(本社、北九州市)は25日、北九州の小倉港と韓国の釜山を結ぶ国際高速旅客船・ドルフィンウルサン号を8月31日から9月30日まで運休させると発表した。船体の修理が理由。すでに予約を受けた分に関しては代替便を用意する。
同社によれば、ドルフィン号はいまだ船体の揺れ防止システムが機能しない状態で、高波の場合は速力を落とす必要があるという。このまま運航を続けても乗客に迷惑をかけることから、繁忙期前の9月に修理することにした。
ドルフィン号は欠陥が多いことで知られる。オーストラリアの先端技術を駆使した世界初の三胴式超高速旅客船を謳い文句にしたが、その技術の信頼性はかなり低い。2002年12月から三月運休して船体に抜本的な改造を加えたが、その後も運航に目立った改善は見られなかった。運営面の不手際も多く、航路の評判は概して思わしくない。
北九州と韓国を結ぶ高速船航路は、船体の不良や受け入れ態勢の不備によって台無しにされた嫌いがある。博多港が小型船の多頻度運航なのに対し、北九州港では大型船を投入したのがそもそもの間違いだった。
気軽さが求められているのに北九州の航路は鈍重で、頻発する欠航や遅延に対して代替手段がない。長期運休により空白期間が空くのでは定期航路として認知されなくて当然だ。小倉駅北口から徒歩5分という立地は博多港に比べて有利な立場にあるが、期待の大きさが判断を誤らせ、すべてが裏目に出た。
もともと利用客が見込めなかった蔚山航路は運休されたまま再開の時期が示されていない。釜山航路は漸増傾向にあったが、ふたたび水を差されることになる。北九州の高速船航路は抜本的に見直さない限り、その潜在能力を発揮することなく尻すぼみになる恐れがいっそう強まった。